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褒(ほ)めて、褒めさせ。褒めたを褒める

  

会社であれ、家庭であれ、地域であれ、上に立つ者、先に生まれた者は

「下の位置にある者の能力を引き出してあげる」

「能力が出せるきっかけをつくってあげる」

ということが、とても大切です。

特に、子供の長所・能力を引き出すには親のサポートを必要とします。

 

以下は

以前、家庭指導をさせて頂いたある家庭の例ですが、小学生の2人の子供は

 ・大きな声でキチンと挨拶が出来ずに恥ずかしがったり、

 ・何度言っても靴を揃えていなかったり、

 ・「勉強をしろ !」、と言わなければしなかったり、

生活面で、いろいろと問題がありました。そのような中、

兄弟同士で

○○ちゃんは掃除してなかった

○○くんは宿題してなかった

○○ちゃんはいつも、いじわるをする

等々

問題点を親に訴えるのですが、その裏に自分の立場を守ろうという潜在意識が強くあることに気付きました。

問題はそれだけではなく、

親の側にもありました。共働きで、いつもバタバタしている。

バタバタして時間がないから、子供の教育は他人へ・・・と、いろいろ習い事をさせる。

バタバタしているから、塾の月謝を払って一生懸命だと、教育をしているような錯覚に陥る。

子供の目線に立って、心の機微を掴もうとしないから

結局、出てくる言葉は

「早く食べなさい、早く宿題しなさい、早く寝なさい・・・」

と、早く・早く・早くの強制連発になる。

悪いことに、叱責する親に、子供が従うほどに、妙な「心地よさ」が付いて廻り、心は問題外で、形式的な事に一喜一憂している。

親に家庭教育する能力がないから、叱責による「表面で形を作る」に終始するしかなく、それを家庭教育と錯覚している。

 

このような家庭には、

「長所発掘−21日間プログラム」

を提案することにしています。親は、一切の生活的な指導をやめ、

1段階(1週間〜数週間)

     導入部分でもあり、価値観の転換を促す部分でもあり、最も大切なステップです。

  ○○君は服をびっしょり濡らしてふき掃除してたよ、エライね〜

  ○○ちゃんは何も言わないのに、今、床をふいてたよ、エライね〜

  いわゆる親が根気よく1週間、どんな些細なことでも「長所を褒める」ということに徹する。(場合によっては1ヶ月前後)

  とにかく「根気よく」です。これは、親の修行(作業)です。

2段階(1週間〜数週間)

  「○○ちゃんの今日、良かった事は何?」

  と、兄弟・家族・他人の長所を聞く

  最初は「ない」という返事が返る場合が多々ありますが、根気よく聞き続けるのです。

  答えに期待をせずに、ただ聞き続けていると、それだけで他を見る目が少しづつ変化してきます。

  1週間は目安で、スムーズに他の長所が出るようになるのが目安です。

3段階(1週間)

  「おっ、よく○○ちゃんの良いところ見つけたね〜、スゴイね〜」

  子供が長所を褒める行為を存外に褒め称る。

つまり、参天蟻道の法則に則り、

 

 

 1,まず褒める(価値観の変更・調整)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                       親の作業(受動・陰) ・・・・・・・・・・・・・定点            
      ↓

 2,他人の良いところを見つけさせる(他人の長所を見る目)・・・・

                       子の作業(能動・陽) ・・・・・・・・・・・・・定点

       ↓

 3,子供の褒める言葉を倍にして褒める・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                       親子の作業(受能動・陰陽和合) ・・・杖点

 

を実践するのです。

注意点は1つ、必ず1段階をしている時に2段階を平行させない、

1段階の時は徹底して1だけを実行する。それだけです。

これを食事の時など時間を決めて実行すると、しやすくなります。

すると、見事に変わるのです。

不思議なことに、気の流れが全く変わってくるのです。

結論を先に連ねると

 ・嫌いな友達が許せるようになる。

 ・兄弟では言い争いが少なくなる。

 ・教えたり、教えられたりが始まる。

 ・親が理解者だと思いだし、親との会話が始まった。

 ・相手をみる顔つきが、静かな笑みのようになる。

 ・「いただきます」や「さようなら」など日常の挨拶言葉に心を込めるようになった

 ・同じ勉強するのでも「強制」から「自主」という差が生まれた。

 ・好きなこと(趣味など)が生まれた。

等々、スゴイ効果が次々に出てくるのです。

手法は至って簡単です。

「褒めて、褒めさせ。褒めたを褒める」

それだけです。

それだけで、価値観の変更、潜在レベルからの使命感の醸成、探求心の向上、プラス思考等々

に通じていくのです。

つまり、「褒めること」「長所を引き延ばす」(他項「長所を伸ばすとバランス調整される」参照のこと)

とは切っても切れない関係にあるということです。

「褒められたからやる」というのはきっかけとしては低いレベルかもしれませんが、

人は、そこから、大いなる使命感をも実感するように成長していくのです。

これこそ、人が個々の特性を持って生まれ、その特性をもって社会と係わり

サークルを描き、上昇する基本構図となるのです。

長所は親が探すものではない。親が夢想するものでもない。

本人が見つけだすものです。

だから親がいろいろやらせてみる。

だけど

そこに、「褒める」というスタンスがなければ

それは、ただの押しつけになるのです。

まず、「褒める」というムードがあると、本人がいつ知れず、何かやりたくなる。

と、やりたいものが縁していくる。そういう風に天地の法則が動くのです。

 

そんなに、やりたいものとか、その子の特性とか、本当に誰でもあるの?

必ずあります。

まず、

今、ここにこうして、この文章を読んでいる命がある。

それだけで、

もう輝かんばかりの生命(いのち)があるということです。

目的・使命がある、ということです。

絶対に間違いありません。

それがなければ、天地宇宙の法則は、とうの昔に命を絶っています。

簡単なことです。

一瞬にして心臓を止めます。

だから、その目的を全うすることに生き甲斐が重なるように出来ているのです。

上に立つ者は、先に立つ者として、誠意をもって、その目的を見いだす手伝いをするのです。

この世で、子育てに勝る仕事はありません。

ご丁寧にも

地球では、本来、一(いつ)なるものを分解し、教育プログラムが稼働し、

スタディが成立するように創られているのです。

その意味を噛みしめて下さい。(詳しくは、波立の法則4 「思念と物質の進化システム」参照のこと)

時代は最終段階、いい加減、「認知論」のみを支えとした教育を脱却し、

創造力・愛とは何か、命とは何かを宇宙の歴史から問い返す教育にシフトしていかなければなりません。

まずは、

「長所発掘プログラム」是非、実行してみて下さい。

 

 

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