人の幸せを祈る
 
トラウマ・過去世に触れてはならない


安部浩之作品No,101218
                           文・phot,Kohsi

 

富める国では、豊かさに比例して、自殺者の増加を産み出し。

特に日本での自殺率は、先進国中、世界2位、上昇率世界1位(資料)という状況です。

そして、それに相まって、コー○・NL○・など各種の心理療法が続々と輸入されていています。

これら最新の療法の特徴としてPTSD・トラウマへのアプローチがあります。

「過去に受けた心的障害を克服すれば現在が根っこから変化する」

という発想です。

患者の立場にすれば、そこに一種のサプライズ感があり、

それを受けて、施術者も根っこから問題解決してあげたモードに入り込みます。

また、前世にまで介入するとビッグサプライズとなり、当然、患者は「スゴイ」となります。

するとリピートが生じ、金にもなるので、いよいよこの流れが加速されます。

これは危険です。

なぜなら、ごく1面を見て、そこに、その後の因果律の読み込みが行われていないからです。

例えで紹介します。下図をご覧下さい。

現在プロボクサーである、ある青年は幼少の頃、ヒドイいじめにあった経験があります。

「いじめられ→耐える」だけの毎日でした。

しかし彼は、そこで「強くなりたい」という強烈な願望を持つようになります。

そこで持ち前の忍耐力が発揮され、努力とたゆまぬ継続の時期を迎えます。

時いたって、彼はチャンピオンになります。そして、有名になり、テレビにも出ます。

そこで、ある出来事がおきます。ある能力者による過去世へのリーディングです。

当然読み込んだだけで、過去の因果がズレ始めます。

ある心理療法では、その画像モードをセピアにしたり、サイズを変えたりします。

すると、どうなるかというと、

チャンピオンは、そのトラウマと名付けられた「いじめ」をもって

「忍耐・努力・継続・・・」

を醸成したにもかかわらず、これらも同時に希薄になり始めます。

持久力が次第に落ち始め、向上心が減速します。

当然、チャンピオンの座を奪われます。

このパターンはまだ良い方で、重症になると、突発的事故や自殺という方向に進み始めます。

また周囲、特に家族にも負荷が降りかかるようになります。

事実、自殺者の7割が精神科なり心療内科の受診者であるという悲しい現実(全国自死遺族連絡会 調)は、
単に抗うつ剤の副作用という事だけではなくこの「過去調整による因果切れ」にも起因しています。

トラウマに対して、ベストポジションで寄り添った因果の連鎖が切れるということは、

生の連鎖も切れるということを意味し、地上での役を終えたとなるのです。

天が導くというよりも、これは法則としてそうなるのです。

つまり、過去を消したり・動かしたり・のぞいたり、

過去のアプローチをする必要はない、してはならない、ということです。

では、何の負荷・抵抗現象もなく過去の心的外傷を癒す方法はないのか?

というと、あります。

それが「感謝行」です。

トラウマに対してさえ、そこから「忍耐・努力・継続・・・」を頂いたのだと感謝することです。

そうすると

意味あって巡ってきたトラウマ現象が良き働きをしたと認可され、

さらに、全ての因果は連鎖していますから、地上の同類のトラウマまでが薄くなるのです。

ここには何の負荷も発生しないどころか、善因を積んだ事になります。

とにかく、これからの心的アプローチは、過去の詮索ではなく

全ての過去を、善きも悪しきも「感謝」でくくり、輝かしい未来へ導く

を旨としなければなりません。

 

また、思い悩む人も

「ああすれば良かった、こうすれば良かった」

と過去を詮索し落胆する必要はありません。

その落胆の全てを「良き気づきを頂いた」と「感謝」でリセットし、

輝かしい未来に夢を馳せる事です。

全ての過去を感謝でくくる事が出来れば、あなたの過去は全て輝やかしい足跡として刻まれます。

何の問題もありません。

あなたの只今の姿勢に全てがあるのです。

どうぞ、そのことを理解されて下さい。

 

最後に今、只今(ただいま)に終始、軸を置いた道元禅師の言葉(正法眼蔵 現成公案の一節)

を紹介します。

   仏道をならうといふは、自己をならふなり。

   自己をならふといふは、自己をわするるなり。

   自己をわするるといふは、万法に証せらるるなり。

   万法に証せらるるといふは、自己の心身、および他己の心身をして

                                       脱落せしむるなり。

   悟跡の休歇なるあり、休歇なる悟跡を長々出ならしむ。
 

 

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