人の幸せを祈る
 
天徳を巡らし、助け合いを実現する。

安部浩之作品no.091225 
                      文・Phot,Kohsi

一般に、原因があり結果がある。これを「因果」と言います。

(元々、仏教語で、サンスクリット語では hetu-phala)

仏教では、その因果の発生経路を分析し、12段階(下記 注1)で分けました。

それが「十二縁起」として、業(かるま)思想とセットになり仏教思想の根底に根付いています。

また、ここから「因果応報」(因果に応じ報いを受ける)という言葉も生まれてきました。

この「因果」の特性を知ることで、即ち現実の諸相の実態を知るに益します。

仏教が、かくも縁起思想を成立させた理由もここにあります。

 

さて、ここではその特性の1つでもある「天徳回向」(下記注2)について説明します。

下図をご覧下さい。

数字を追って説明すると、

1.悩みを持った人が、ある人に、その心の内を告白します。

2.それを聞いた人は、悩む人の幸せを願い

3.ある詩を送りました。

4.するとその詩を見た、同じ悩みの人が同調し、我が心が解放された想いがし

  生きる力を頂きました。

そうすると、因果の側面から見ると、どうなるかというと直接的には、その詩だったとしても

遠因的には悩む人がいたからこそ、その詩が誕生した訳ですから、

5.「天の徳(天徳)」が悩む人に積まれ、ラッキーな巡りを受ける事になります。

具体的に、実際にあった例で説明すると、

数日前、私は、あるご婦人の相談事を受け、幸せを願いつつ、詩を作成・UPしました。

ご婦人は、プリントして財布に入れている。

と、見ると穏やかになれる、と、とても喜んでくれました。のみならず、サイトを見た多くの方からも

「心が穏やかになれた」「もう1回頑張ってみようと思った」「やっぱり感謝で結ぼうと思った」

など嬉しいメールを頂きました。

この時、そのご婦人がいなければ詩は発生しなかった訳ですから、

そのご婦人の悩みが「因」となり、詩という「果」を産み出したということで、

ご婦人に天徳がカウントされていくのです。

もしかしたら、ご婦人は何もしていないじゃないか?

と不思議に思われる人もいるかもしれません。違います。

それは単に見える世界だけを見て言っている事で、その背景で、ご婦人の見えない世界が

導きをして、詩の作者と巡り合わせた。という状況も合わせ考える必要があるのです。

それが「隠れた因果の流れ」です。

この世に偶然はなく、全て必然の連鎖で生じている実態は、この見えない世界も射程に入れる事で

解けてきます。

いずれにしても、この物理空間での因果はそういう風に流れていますので、ここを重々、理解して

下さい。そうすると、生活の中で不慮の恵みを受けたとき、素直に喜ぶ事はもちろんですが、

より広く、その因果を問うならば、巡り会いへの「感謝」もセットにて発想しなければならない

ということになります。

そこで、私は、2つの事を伝えました。

1つは、見えないけれども、ご先祖やご家族への感謝、もう1つは

「もし、同じような悩みを持っている方がいたら、

     どうぞ心から、悩んでいる人の幸せを願って、相談にのってあげて下さい。

       体験されたあなたこそ、私以上に、相談事に心を通わす事が出来るでしょうから」

と、つまり、ここでこの良き因果が、

3点連鎖しながらフラクタル(フラクタル原理と生命現象参照のこと)に増殖するこになります。

この増殖が大切です。そして、この増殖は必ず回向、つまり巡り巡って己に帰ってくるのです。

それだけに、注意しなければならないのは、そこに「この人はお金を持っているから・・・」など

ソロバン勘定があると、それは結局、自分のためとなりますからこの構図は、

全く逆の「悪因果の増殖(回向)」になります。

天はそのあたりの心中を重々察知しています。ウソはつけません。

「困っている人に、損得ぬきで、真心で親身に話しを聞いてあげる。

     そして、困っている人からは、お金を取らない」

の心が大切です。これが「助け合い」のベースとなります。

豊かな社会というのはここから生まれるのです。

 

どうぞ、皆さんも、困っている人がいたら、損得を追うことなく、親身になって聞いてあげて下さい。

それが「天徳回向」の最初の種まきとなります。

たとえ、それが小さな小さな種としても、1は3に、3は9に、9は27と、

一気に、フラクタル増殖するのです。

そして、不思議と同じような悩みをもった人と縁するように、この世は配慮されていますから、

・病に悩んでいる人がいるかもしれません。

・家族の問題で悩んでいる人がいるかもしれません。

・進路で悩んでいる人がいるかもしれません。

・事業で悩んでいる人がいるかもしれません。

と、困っている人は、既に、身近にいる筈です。

また、因果律から見ると、不思議と、この理を落とし込んだ途端に、救いを求めている方との出会い

があったりします。

悩みをかかえた人にとって、既に、その辛酸をなめた、あなたこそ

どんな有名なカウンセラーや占い師や心理士よりも、救い主(メシア)に違いないのです。

導こうとしなくても良いです。ましてや、コントロールしようとしてはいけません。

また、成果を求めようとしてもいけません。罪障を積みます。

どうぞ、共に涙し、「真心」で接してあげて下さい。それだけでいいのです。

その心こそ、あふれんばかりに輝き、「悩み」を氷塊させる力を持ち、生活が激変していくのです。

かくして、天はその心を天徳として刻印せざるを得ないのです。

万人が、「隠(かく)れカウンセラー」です。そういう社会にならなければなりません。

宜しくお願いします。

 

注1

十二支縁起の12のパーツ


1.無明(むみょう、avidyaa)過去世の無始の煩悩。仏教ではこの奥に渇愛(タンハー)があるとする。
2.行(ぎょう、saMskaara)志向性。
3.識(しき、vijJaana)識別作用
4.名色(みょうしき、nama-ruupa)物質現象(肉体)と精神現象(心)。
5.六処(ろくしょ、SaD-aayatana)六つの感覚器官。
6.触(そく、sparSa)六つの感覚器官に、それぞれの感受対象が触れること。
7.受(じゅ、vedanaa)感受。
8.愛(あい、TRSnaa)渇愛。
9.取(しゅ、upaadaana)求める心。
10.有(う、bhava)存在。
11.生(しょう、jaati)生まれること。
12.老死(ろうし、jaraa-maraNa)老いと死。

注2

「天徳回向」とは、本来の仏教語ではありません。私の造語です。
 

 「聖徳太子の心」感想メールを頂き(2010.1.8)

「・・・昨日、20数年ぶりに逢う幼馴染みの彼女が泣きながら家庭の中の問題を話して

 くれました。私などよりも、ずっとずっと苦しんでいると思いました。私も涙しながら、ただ、

 彼女が吐き出したいものを聞いているだけでした。本当に、・・・」

にと、感想メールを頂きました。

また、「書かれていた通り、同じような悩みを持った人との出会いがあり、

        悩みを聞く事で大きな気づきを頂いた。自分が次にすべき事が見えてきた。」

という内容のメールを3通頂きました。感謝です。

本当に、この世は、良くできたもので、

思念体は、共鳴することで昇華し、次のステップ(3点目)を産み出す

という特性があります。

別の角度から言えば、この地球空間は、「境界により別個体が共存し、共鳴が尊重される空間

になっているという事です。

こういう星は宇宙のどこを探してもありません。地球の特性であり、地球創生の秘儀はそこにあります。

ですから、やはり先に記した通り、「万人が隠れカウンセラー」として、苦しんでいる人を無視

することなく共鳴すると、「自他共に、役にたった」その「役に立った」が「喜び」として生じ、

次の方向を見いだすように仕組まれているのです。これが、より良く生きるポイントです。

おそらく、この事を誰よりも熟知し、多束のチャネリング情報をも混濾し、地球の天命を見通した人は、

「和をもって貴し」で知られる聖徳太子(※下記)その人でしょう。

ここでは、関連して「十七条憲法」「一条」を紹介し、感想メールの返事として結ばせて頂きます。

一曰。以和為貴。無忤為宗。人皆有黨。亦少達者。是以或不順君父。乍違于隣里。然上和下睦。諧於論事。則事理自通。何事不成。

(意訳)

この世においては、「和」して共鳴するという事が最も貴いのです。

やみくもに反抗するのは間違いです。人はそれぞれ特徴があり、その違いを理解し、受け入れる事

が出来る人が少ないのです。だから、何かを信じて行動するということが出来なくなり、争いが起こる

のです。しかし、人々が上も下もなく仲睦まじく接するならば、全ての事象は道理にかない、

何事も成し遂げられていくのです。(安部浩之 意訳)

※ 聖徳太子
太子こそ日本の王に相応しく、祀りの祭祀長たる天皇になるべき人でした。
しかし、推古天皇の摂政に止まったのでした。この不条理により、日本の歴史がねじ曲がったのです。
聖徳太子については、また別項で触れたいと思います。

 

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