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教育とは、自立へ導く心遣いである。
 

安部浩之作品No,120621
                           文,illust,Kohsi

 

よく家庭・学校と子育ての現場において、極めて初歩的な質問として

「どうして勉強しなければならないの?」

という類の質問が出ます。これについては、

 ・よい大学に合格するため、よい職場につくため

 ・勉強がお前達の仕事ダ!

 ・将来、有利だから

 ・義務教育だから

など、おそらく教師も親も、種々、様々な回答となるでしょう。

自身の過去を顧みても、また、子育ての中で多くの人が体験したことかもしれません。

しかし、この講座を読まれている方は、見事に即答できます。

宇宙創生の意義から、人がなぜ産まれてきたのか、何のための学習か?

が理解できている筈だからです。

どうぞ、第1章から読み返され、改めて理解を深めて欲しいと思います。

そして、その理は説教で終わることなく、

日々の生活で、時と場所に応じ、実践・行動できているか?

が問われるのです。

例えば、第1章「奪い合いの共生」から「助け合いの共生」へにおいて

「自立心」が養われてこそ、「助け合いの共生」が可能となることを記しました。

では、この「自立心の確立」が実生活の中でどのように生かされるべきでしょうか?

 

様々なシーンがあるでしょうが、家庭教育の場面を想定してみましょう。

ある小学生の子供は学校と塾に通っているとします。当然、学校と塾の2つの宿題が出ます。

現代では、どちらかというと学校よりも塾や通信教育の宿題の方が多く、

進学入試を最終ターゲットとしながらも定期テスト対策を目論んだ宿題に追われる事になります。

丁寧なところは、テスト6日前はコレ、3日前はコレと、事細かくスケジュールするところもあります。

すると当然、家庭でも

「宿題は終わったの?今日の仮題は終わったの?」

という言葉ばかりが多くなります。勉強は、塾に任せてるんだからキチンと塾の宿題をしていれば

相応には学力がつくようになっているわけです。

しかし、この毎日の中で、どれだけ子供に「自立心」というものは育まれるでしょうか?

 

自立心とはその字の如く、「自らが立つ心」です。

今度、定期テストがある、ならばそれを逆算して、3日前には○○と自らがスケジュールしていく

そこに見当違いをして失敗を繰り返しながらも自らの時間を管理していく。

それを「自立心」というのです。

ところが、そういうスケジュール立てや調整能力を無視して塾に通って宿題さえしていれば・・・・

という環境で育った子は、勉強とはやらされるもので、何の疑問も持たずにひたすら指示に従っていれ

ば、周りは静か・・・荒波が立たないということを感じ取ります。

結果、自己管理能力がゆるくなり、指示待ちの若者が社会にあふれるようになるのです。

社会は、そういう人材を求めていません。問題を解く能力ではなく、むしろ問題を見つけ出す能力と自ら

創造し、調整・行動する能力を求めているのです。同時にこれが天意に叶います。

そういう意味からも、あらためて、「自立心」という視点で家庭教育を見直すべきです。

すると、常套句の「宿題しなさい」ではなく、ある時は、「今日は何がしたい?」であったり

「今日のスケジュールは?」となったりするのです。すると「ゲームしたいんだけど宿題しなきゃ」

となったりします。ここがポイントです。同じ宿題をするにしても、子供の意識レベルにおいて

雲泥の差が生じます。

「したいこと」と「すべきこと」を自らが選別し、

自らアクションする心が促(うなが)されているのです。

これはもう立派な自立心といえます。ここでは、親が行動を強要するのではなく、

「行動へ導く心遣い」

があります。そして自らの行動(自立心)は、他項(奪い合いの共生」から「助け合いの共生」でも

記した通り、集中力と快感・歓び産み出し、依存のサイクルではなく「自立のサイクル」を創出します。

この例で言えば「勉強が楽しい、もっとしたい」となるのです。

 

親が「宿題しなさい」と言いたくなったら、

上司が「企画書を出しなさい。明日までにしとけよ!」と言いたくなったら、

ちょっとストップして「その行動へ導くには?」を発想してみて下さい。それが教育です。

さらに望むべくは、それをテクニックではない、自然な言葉として発っせられるのが理想です。

そのためには、まさに生き様が問われるのです。

その意味からも、まず親が「自立心」ということを噛みしめることです。

そして理屈を超えて、自らが実践できているかを問うことです。

これは、子育てのシーンだけではありません。社員教育の場においても、夫婦間においても・・

「自立へ導く心遣い」

が幸福への礎となるのです。宜しくお願いします。