人の幸せを祈る
 
時間管理 2   すべき事に感謝すると因果の解消が急加速する


                                                                            文・Phot,Kohsi

 時間管理 3項目の構図

前項にて、日々の生活を3項目にして分類する事を提唱しました。ここではその構図を紹介します。

  ・ただし、「すべき事」がすなわち「学び」であったり「したい事」であったりは個々様々ですから、

   その境界がキッチリと隔てられているわけではありません。

   あくまでも、時間を管理するための、大きなくくりの解釈としてご理解ください。

 

さて、下図をご覧下さい。

 

まとめて記すと以下の通りです。

 ・対極界(すべき事)

  個人の因果の総決算が、現在の「すべき事」に集約されている。

  ここをクリアせずして次の流れは産み出されずに、因果のままに輪廻する。

  いわゆる、過去にあったシチュエーションが、時空を変えて、再び再現される。

  この世界では対極の混在が常となる。

 

 ・対極止揚界(学び)

  ここは言葉の通り、相反する対極の世界を智慧により乗り越えていく世界です。

  誤差・境界を利用する世界といっても良いでしょう。

  例えば、あなたは将来「○○をしたい」という夢があるとします。

  しかし、その夢が一向に実現しないのは、この「学び(創意工夫)」を欠いているからです。

  ここでは個々により、内容が大きく違うでしょう。

    ・ある人は、単純にひらすら資格取得のための勉強かもしれません。

    ・ある人は「すべき事がしたい事に生かされないか」を創意工夫する事かもしれません。

  ここを欠いている方が多いのです。だから世に不平不満が蔓延し、気づいたら

  夢が夢で終わるのです。

 

 ・3点目形成界(したい事)

 これは言葉のとおり、対極が学びにより止揚(ジャンプアップ)され、次の独自の世界を産み出される

 という事です。

 

事例をもって、まとめましょう。

 あなたがグラフィックデザイナーだったとしましょう。しかし、あなたは農業をしたい。

 一見、大きな誤差があります。しかし、すべき事を行い、中間の学びを怠らない事であなたは、

 農業を芸術的感性で植栽するかもしれません。また、野菜の色味に感度を良くし、大いなる「気づき」

 を提唱するようになるかもしれません。

 また、あなたは専業主婦だったとしましょう。しかし、あなたはアロマの世界に入りたい。

 ここにも大きな誤差があります。しかし、主婦の視点にたって、その生活スタイルに合った

 アロマの提供が出来るかもしれません。「主婦のための癒しアロマシリーズ」とか・・・

 これら全ては、「すべき事をキチンとする」という対極界があればこそ、ということになるのです。

 

つまり、この今の現実は、実は、夢実現のために、あたなにとっては、なくてはならない、この上ない

シチュエーションだという事です。そこを理解すれば、自ずと

「喜びと感謝」

が生まれるはずです。ここが大切です。

「喜びと感謝」がそこにセットされることで、悪因果の解消が、劇的なまでに何百倍にもなって、

急加速するからです。

 

さて、この講座では、その趣旨から、私的な事は記さないようにしていますが、

関連するかと思いますので、1つ紹介させて下さい。

 

昔、私は秘書をしていた頃があります。秘書といっても運転手秘書で、運転業務の合間に秘書業務

をしなければならないのです。

朝は4時半に起床して、オーナーの自宅へ・・・、寒い冬も、洗車をしてワックスがけ、

もちろん手洗いです。ベンツとマジェスタとセドリックの3台を常に、ほこり1つない状態にまで磨き上げ

なければなりません。

オーナーが家から出てくると、ボディーのつなぎ目にワックスの拭き残しがないか、チェックがあります

から注意を要しました。f冬、指はつねにひび割れで、割れのすき間に詰まったワックスが絶える事は

ありませんでした。そして、スーツの左ポケットにはいつもシェアラスターのワックス缶、右ポケットには

雑巾が入っていました。スーツの両ポケットがパンパンに張っているので、よく「何持ってるの?」と

不信に思われる事も度々でした。

こうして、朝6時にはスタート出来る体制を取ります。会社までの車中に、記憶した1日のスケジュール

報告と注意点をオーナーの気分を害さないようにインプットします。

昼食を摂る暇もなく業務に携わり、夜は飲み会が終わるまで車中待機、よって毎日が午前様。

さらに、帰宅後にオーナーの講演内容や挨拶文の準備などをしていましたので、

2日に1度、数時間しか寝れない状況でした。また、休日に限って、オーナーの講演など、公務がつまっ

ていましたので、休みも3ヶ月に1、2回くらいしかありません。

こういう状況ですから、秘書は1年もたない。過去の例では、逃亡するか、ノイローゼ、出社拒否という

現実でした。

その秘書を、私は10年、勤めました。

その仕事をする前は、高校の社会科教員をしていましたから、叱る事はあっても叱られる事はない生活

です。それが毎日のように体を酷使して務めても、「ボケ・カス」と、叱られ通しなわけです。

そのギャップに当初は、

「これは大変なところにきた。こんな筈じゃなかった。

                     もっとオレには、したい事がある」

ということで、如何に辞めるか、しか考えていなかった訳です。ただ、次の職場を探す暇もない多忙さ

でしたから、気づくと、3年、経過していたのです。

 

ところが、ある夏の、炎天下での事でした。

汗びっしょりになり、ワックスがけが終わり、ビカビカの車でオーナーを目的地に送り終えました。

わずか5分程で目的地についたのですが、フッと、車の表面を見ると、黒塗りの車の表面に、う〜すらと

ホコリがたまっている訳です。

いつものように再び、右ポケットの雑巾で拭き始めた時、感じたのです。

「このホコリは・・・・、このホコリは、もしかしたら・・・、己の心のチリではないか?」

と、そして、

「磨けども、磨けども、たまる、その心のチリを、こうやって、何度も何度も拭いているんだ」

と腹を決めたのでした。それから、私にとって洗車は、神業ともいえる「感謝行」に変わっていったので

した。ボディーのホコリを見ては、「あるある・・・」とニコニコしながら、モクモクと洗車しているわけです。

飲み屋街では、キレイに着飾った教え子に「そんなに楽しいの?ハハハー」とからかわれる事もありま

した。

この「笑顔の感謝行」が、さらに3年経過する頃には、私の職場環境は一変していました。

つまり、「不満の3年に始まり、感謝の3年」を経た6年目の頃には、

企画室長になり、諸々の企画を任されるようになり、部下を持ち、ゴーストで本を書き、

車中で、オーナーは、人事に関する相談までしてくるようになっていました。

 

ある時、こういう事がありました。

いつものように、夜の飲み会を終えたオーナーが車に乗り込んだのが午前1時頃でした。

その時、大物政治家が一緒に乗ってきました。これは、よくあることで、まずその政治家を先に自宅

まで送りとどければなければなりません。

自宅のそばまで来た時、その政治家が私にこう言ったのでした。

「運転手さん、そこっ、左っ、左っ」 

「はい」

と私、その時、これまで、政治家に敬語を使っていたオーナーが、狭い車内で、割れんばかりの

大声で、怒鳴り上げて言ったのでした。

「なに〜、運転手? 安部は、運転手じゃねーぞ、こいつが会社を切り盛りしとるんじゃー」

政治家も黙り込み、車内は、一気に険悪なムードになってしまいました。

これまで公私を超えて尽くせども、その立場からか「ありがとう」も言えないオーナーでしたが、

その言葉の中に、その心を感じ取った私は、前を向いてハンドルを握りながら、1人、目頭をあつくし、

込み上げる感動をとどめる事が出来なかったのでした。

 

こうして、私は今でも、あの運転手時代の出来事を思い起こす事が度々あります。

 ・大学院を出、僧侶になり、教員になり・・・という中で、故しれずに培っていた、ささやかなプライド

  が打ち崩されたのは、あの運転手時代でした。

 ・業種の垣根を越えて多くの人との出会いを頂いたのは、あの運転手時代でした。

 ・「すべき事」を「笑顔と感謝」で取り組む事の意義・貴さを体感したのは、あの運転手時代でした。

 ・「したい事」も出来ずに、悶々と苦悩したのも、あの運転手時代でした。

 ・薄給でも前に進むしかなく、心を不満に満たしたのも、あの運転手時代でした。

 ・サラリーマンのドロドロとした人間関係や苦悩を実感したのも、あの運転手時代でした。

あまりに多くの学び・体験がそこにはありました。

 

そして、今、あの運転手時代は、私の「すべき事」をキチンと「笑顔と感謝」でする修行であったに違い

ないと思うのです。

おそらく、あの時代がなければ、この講座を開設し、こうして、皆さんに

「すべき事」「したい事」「学び」に分けて考えましょう。という提案をすることもなかったでしょう。

なぜなら、提案の1つ1つの底辺に、私の実体験が横たわっているからです。

だから、私は、人生というものは、何人も、一見、不運・不孝のように見えても、かくも絶妙に導かれ、

その時々で、誰も創り出せない、最高の「気づき」を頂く場を与えられていると断言するのです。

この世には、

「1度きりの人生、後悔先にたたず・・・好きなことをやれ!」

の発想を推奨する人もいます。またそれをイメージトレーニング化することを進める人もいます。

しかし、それをやって成功する人は一握りで、カルマを積むだけで、万人に貫通する発想ではあり

ません。むしろ

「1度きりの人生、後悔先にたたず・・・すべき事をキチンとやれ!」

の方が正しいし、その方が、最短で因果が昇華していきますから

「好きなことが出来る」ようになるのです。

 

どうぞ、皆さん、日々の生活の中で、

「すべき事」を書き出し、

そして厭(いと)うことなく、イヤイヤ取り組むのではなく、

確信をもって「笑顔と感謝」で取り組まれて下さい。

そこからしか運気は開かないようになっているのですから。

宜しくお願いします。

 

 ※ トップの画像は、今年の夏から、庭先で育てていた皇帝ダリアです。 勢いよくグングン伸び、
    3ヶ月で4メートルほどの高さになり、今こうして見事な花を咲かせました。
    まるで、「私を見て」と言わんばかりに、花は下をむいて開いてくれました。感謝です。

 

 ※ 上記の内容に関連して

   「メリットノート」に時間割シートを付加しました。どうぞ、ご覧下さい。ココ
 

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