人の幸せを祈る
 
挨拶とは、氷を溶かす春風のようなもの
 


                   文,illust,Kohsi

 

数年前、高校教員を退職された先生のメールです。ご許可を頂きましたので、以下、紹介いたします。


 
  私ども夫婦は、今年で結婚45年目になります。幼なじみ同士の結婚、
   喜びも苦労も共に分かち合ってきました。「結婚は苦しみを半減し、喜び
   を倍にする」といわれるが、まさにそのとおりだと思います。子どもには
   恵まれなかったが幸せな家庭生活が全うできたと思っています。

          (中略)

  若い時には意見のくい違いなどからカッとなったこともあった
   が、私がうつ状態など窮地に陥った時、よく力になってくれた。
   「なんと貧乏クジを引いた」と妻に愛想をつかされても仕方がなかったが、
   逆に妻の力強い精神的な支えがあったからこそ乗り越えられた。困った時に
   こそ力になる、これぞ真の夫婦愛だと思います。夫婦にとってセックスも大切な
   要素の一つではあるが、それにも増して重要なのは精神的にしっかり結ばれて
   いることではないでしょうか。

    家庭は心の安らぎの場であり、明日の活力を養う場でもあります。妻は私に
   とって最高の理解者であり精神科医でもあります。決して良い夫だったとは思
   いませんが、妻の忍耐強い献身的な愛と、日ごろのやさしい微笑とユーモアに
   心から感謝したい。また、私は大の食道楽であるが、妻は料理が大変上手な
   ので、毎日の食事が楽しみです。二人して酒を酌み交わす時、しみじみと幸せ
   をかみしめています。私たち夫婦は、旅行をするにも何をするにも2人で行動
   することが多い。感性を豊かにすべく美しいものを求めてはコンサートや美術展
   に行き、世界を広げるべく各種の講演を聴くのが楽しみです。また、俳句や短歌、
   音楽、書道、映画など同じ趣味を楽しんでいます。小さな庭に、花や野菜の種を
   蒔き、芽が出たと喜び、その成長を楽しんでいるこのごろです。

          (後略)

 

私は、「ああ、何と理想を絵に描いたような夫婦の姿だろうか」

と思いました。

時として、窮地を、今こうして感謝で受け入れられる精神性の高さを感じます。

そして、この先生は、次ぎのメールでその秘訣を明かしてくれました。


 
 長い人生行路、決して照る日ばかりではありません。
   曇る日もあれば、雨続きの日もあり、大嵐の日さえあります。
   結婚生活しかりです。
   それをお互いの努力によって乗り越えてこそ真の幸せがあるように思います。
   私どもはお互いに、相手に氷をとかす春風を送るようにしています。

   「先ず、朝はお互いに『おはよう』とあいさつを交わすことです。
   次に、何かしてもらったら、必ず『ありがとう』と感謝の気持ちを
   伝えることです。最後にもし間違いがあった場合、素直に
   『すみません』と謝るとです」。 
  「こうすることによって幾多の苦難も乗り越え、お互い『ええ女房』
   『ええだんな』として、幸せな人生を送ることができると信じます」。
   ますますのお幸せを心よりお祈り申し上げます。

 

 

そう、挨拶だったのです。

家族への挨拶です。先生は挨拶の事を「相手に氷をとかす春風」と表現しています。

本当にそうだなと実感します。

ケンカした相手、悩んでいる相手、ふさぎ込んでいる相手・・・・

そこに、爽やかな暖かい春風のような、「挨拶の息吹(いぶき)」をかける。

それは、たとえ微(かす)かでも氷塊(ひょうかい)の助けになり、冷え切った心が温かくなる。

本来、挨拶には、そういう底力があるのです。

そして、大切なことは、やはり「心を込める」ということです。

「優しさ」を、そっと言葉に乗せるのです。そうイメージして下さい。

さあ、今日もあなたは、家族・始めて会う人・沈んでいる人・愉快な人・イヤな上司・・・・

いろんな人に会うでしょう。

見返りを求めることなく、全てをゼロクリアして、どうぞ春風のよな挨拶を吹かせて下さい。

その春風はきっとあなたの元にも返ってきます。

よろしくお願いします。

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